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オーディオは宗教ではない、生き方の指針だ 門松を爆破せよ
Posted by - 2017.10.17,Tue
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Posted by Siina daioujou - 2010.09.23,Thu
たとえば想像してみるといい
自分にとって理想の音とは何か

好きなジャンルは何か、好きな楽器の音は何か
あえて言うなら好きなアーティストでもいい
個人個人音には好みがあるはずだ

人生において1度くらいは、良い音でこれら好きな音楽を
今より良い音で聞いてみたい、そう思ったことはないだろうか?

しかし何時しかそれを人々は忘れるだろう
要因は様々、環境・お金・家族 あるいは音楽という存在を忘れることもあるだろう

安価なデザイニングポータブルプレイヤーがステイタスとして確立し
音楽はそれで十分と思ってしまうこともあるだろう

その人々にとってはそれで十分なのかもしれない 十分だったのかもしれない



だが忘れられない、彼らは 我々は

もっと良い音で もっと良い曲を あの名曲を今一度最高の環境で
もっともっと、その欲が彼ら突き動かす

たった一つ「良い音を聞きたい」それだけがために

それだけが動機で、それだけが全てで それ以外はあらゆることが無価値がゆえに





孤独のオーディオ 9話




初めての大型スピーカー「S6000」を手に入れたト・ヨブレはその恐ろしい音に震撼した

たしかにその巨大な、30センチはゆうにあろうかという大きなスピーカユニットから繰り出される音が
相当に大きく腹に響くものであろうということは予想していたが
ヴォリュームをあげるにつれてたたき出されるその低音に、ト・ヨブレは参ってしまった

恐ろしい迫力である

これがミニコンポなどとは違い、オーディオとして生み出されたスピーカーの力なのかと
驚嘆の限りである、ここまで巨大なスピーカーは生来見たことがないからだ


カ・マーゲの所有するオーディオスピーカー「BC2」よりも更に大柄なS6000は
3ウェイ構成にアッテネーターといわれる音調装置を内臓し
高・中・低の3音の何処を強調するか任意に決定できる機能を持っている

すなわちこれは高音がほしいと望めばツマミをハイにもっていけばよく
ボーカルを押し出したいと思えばミドルへ、低音はローへスイッチすればいいのである

60年代後半から80年代中ごろに至るまでは
スピーカー側にこのアッテネーターが内臓されている事が多かった

スピーカーだけでなくアンプにもトーンコントロールという名前で似た機構が存在し
元々はこちらに多い機構だが、価格の安いミニコンポでお目にかかることは稀である
当時機構的に貧弱だったアンプ側に依存させないためか、外部に搭載させる風潮だったのだろう

振動体であるスピーカー内部にこれら回路を搭載することは
音質の観点からすればあまり良いこととは言えないため、現在では内蔵型は一部を残し衰退したが
1967年製のS6000は黎明期のスピーカーであるから
当然調整部に周波数表の刻印つきでその存在を誇示している


驚くべきことにS6000は製造から40数年、数十年は使用されないという放置期間をへても
その動作は正常であり、アッテネーターも固着しておらず 全機能を使用することが出来た

スピーカーは意外と古くても動けば動くものなのだ
それがゆえに中古でアンプを買うよりは安全といわれるが
実際には経年劣化のダメージを受けにくいというだけで、劣化しないわけではない
何物も状態次第である





これはすごい なんという音だ
すさまじい迫力、低音 しかもサブウーハーのようなテンポのズレた下品な感じではない

しかも3ウェイだ これだけ古いのにまるでミニコンスピーカーが全く相手にならない
ハイもローも そしてミドル・・・というのかな 今まで気にしなかったが

とにかく不思議にミドルモードにすれば歌も聞き取りやすい
全く違う、こんなにも差がある

たしかにカ・マーゲの音は凄まじかった、あれにくらべばこれも・・・だが
これだってまるで相手にしてはいない、オーディオというものは こんなにも差が出るものなのだな




歴然であるその迫力がゆえに、ト・ヨブレは自然とヴォリュームをあげていった
それが後に起こる事件の引き金となるとは露とも思わなかった彼は
ひとまず訪れた自宅の革命に酔いしれた


その後、ト・ヨブレはある考えを思いついた

自分のアンプがAVアンプであることの特性を生かそうというのである
当然多スピーカーとはいってもマルチチャンネルデータを再生しているわけではないから
サラウンドとして再生しているわけではないのだが

サラウンドシステムはスピーカーを四方に配置し、それら全周から音を出すものだと知った彼は
自分の家でやりたくなったのである、AVアンプユーザーであれば当然の反応であろう


最も大きなS6000の上にサンスイ3ウェイを乗せ、更に上にオンキョースピーカーを乗せるという
信じがたい超時空音響要塞マクロスと化していたそれはトランスフォーメーションを果たし

ダイダロスアタックもかくやという左右に広がった配置をとった 正に強行型である

オンキョースピーカーを横に寝かせて本棚の中に入れることで見た目よく
本棚から張り出した両翼の棚上にサンスイを、そして
その棚の下に本棚の構造材で覆うようにガードされたS6000
部屋を格好よく見せながら 多スピーカーらしい配置を実現し ト・ヨブレは満足の極みにあった

前から広く放射される音楽は臨場感たっぷりで心地よく
大型スピーカーからはじき出される低音は腹の底に響き渡った


感動の極みである彼はどんどんヴォリュームをあげていく
そしてその日も気分よくアンプのヴォリュームを捻ったそのとき

マンションの内線がけたたましい音を立てていることに 辛うじて気づいたのである



そう初めての騒音苦情だった





不思議だった、全く納得できないのだ

何故ならト・ヨブレにとっては「以前ほど音をだしていない」からである

S6000を導入する以前の方がむしろ音は大きかった筈だ
ヴォリュームだって今のほうがむしろ低いぐらいで、実際自分で聞いていても
ヴォリュームをあげないと「なんとなく音が判りにくい」くらいだ

たしかに大きなスピーカーがあるから低音はでる、そのことなのかもしれないが
それだって以前より少し強いぐらいだ、内線がかかってくるレベルとは思えない

疑問は膨らむばかりである



そんな折、カ・マーゲが外食のため車の迎えを要求したので
よい機会であるから、話を聞いてみることにした





こういうことなのだカ・マーゲ、まるで不思議なことだ

「クレームつけられるほど爆音ってどんだけだね(´Д`;)」
「しかしまぁ こないだ見た様子じゃ無理もないだろうね」

どういうことか? 卿は何故見ただけで判るというのか

「そりゃああれだけ条件が整っていれば、出る音くらい察しはつく ヽ(´ー`)ノ 」

「何故かなどいうまでもないことだ、ト・ヨブレ うちでもう一度音楽を聴け」




彼はそう言うと、いつも聞いているCDを持って家に上がれと促した
カ・マーゲは疑問に対しては初め、明確な回答はしてこない
答えを知りたいなら聞けということだ、ヒントを与え自己解決を求める

あるいは考えることを促しているのかもしれなかった




何時もながらいい音だ、これでやられては流石に家が霞む

「そうだろうさ(*´Д`)  だがそれだけじゃないだろう、どう思った」

どうといっても、只管音が良いとしかな・・・

「そうじゃないト・ヨブレ、良し悪しは問題ではない」
「音はどうだったかと聞いているんだ、どう聞こえた? どういう差があるんだね」


こっちはハッキリしている、なんというか音が輪郭があるというのか? わかりやすい

「そうだト・ヨブレ(*´Д`) 「わかりやすい」だろう? ぼやけた感じがしないだろう」
「ハイもミドルも判りやすいが、それ以上に低音はどうだ 家のようにボーンボーンと鳴っていないだろう」

まさに、なんか低音がブブブとかボボとかボーンとか そういう感じの音がしていない
スピーカーが違うからか? こっちはそういった音がない




そこまで喋った所でト・ヨブレはハッとした
奇妙な違和感に気づいたのである、一番ハッキリした違和感は音ではあったが
今度のそれはもっと広い範囲のものだ

そう音量が 小さい




いやまて、ヴォリュームをそんなにあげていないはずだぞ 何故こんなに聞こえる 何故だ


「気づいたか、そう実は今それほど音量を出してはいない しかし音楽は判りやすいはずだ」

そうだ、うちよりずっと小さい音だ なのに何故こんなに繊細なところまで判る?
システムの値段が桁違いだとしてもこれほどまでに差が出るものなのか

「それは違うト・ヨブレ、君の家でさえ これに近い状態に本来はあるはずだ」

では何故、我が家はああなってしまうのか 何が間違っているというのか?


「近隣にご迷惑をおかけしているのは、まぁ低音が主だろうということ察しているな?」
「そして低音には良い低音と悪い低音が存在する、前者が我が家で後者が君の家さ」

・・・


「何故そうなってしまうのか、原因は複合的でどれが というわけではないが」
「そう、しいていうならば」

言うならば?



「出る音の数が、多ければ良いというものではないだろう」






カ・マーゲはそれ以上語ろうとはしなかった
だが重大な、重大すぎるヒントには違いない、最後の一言におそらく集約されているだろうからだ

悪い低音をだしてしまう、それが苦情の原因
そして、音がわかりにくい原因 全てが繋がっていると言いたげな台詞回しから察するに
間違いなく、要となるのは低音であろうからだ


ト・ヨブレは帰宅すると音楽をかけながら、機材を睨み 意識を集中した
そしてカ・マーゲの家で聞いた音とすり合わせ、違いを感じようとしていた

しかし結果は無常である、差がありすぎて違和感ばかりが耳につく

しかし低音をイコライザーで調整したところで違和感が強くなるばかりだ
一体何が足りない、何処を間違えているというのか、悩み続けた




もっとだ 考えよう、何が違う?
音だけじゃない、機材も・・・機材・・・?

そうだ、構成に大きく違いがあるではないか 俺はスピーカーが6個
あっちは2つじゃないか、しかし全く何もかもがあちらが上だった 2つだけなのに臨場感ですら

これのことではないのか「出る数が多い」というのは スピーカーの数のことを言っているのではないのか

まず2つにしてみよう




その結果は、不思議なものだった
たしかに2つになり臨場感はどこかに消え、寂しくなった感じはしたが
もやはそんなことはどうでも良いくらい「音が聞きやすくなった」のである

それだけではない、そのまま聞いているうちにハッキリと
今の方が音が良いのではないかと思えてきたのだ、何より違うのはS6000のウーハーが吐き出す音である
ボボボとくぐもった感じしか出せていなかったS6000は見違えるように伸び伸びと音を出している

今だにボヤついた感じは残るものの、先ほどとは全く違う
そしてヴォリュームも12時を過ぎずども、ちゃんと聞き取れる



これが答えだったのだ、ト・ヨブレは確信した


スピーカーの数が多ければ良いというものではない ということを








用語解説


アッテネーター

オーディオにおけるアッテネーターの役割は好みにあわせて出る音を調整するという存在意義を持ち
これらはアンプやスピーカーに搭載される場合、レベルゲージに合わせて調整できるよう
ツマミ形状のロータリースイッチで動作のON/OFFと調整を行う

アッテネーター本来の機能は減衰機であり、一定部分を増幅して強調するものではなく
むしろ一部分を下げることでコントロールしているのであるが
利用するにあたっては特定音域を強調するためのツマミだと認識していればわかりやすい


これらの回路は音楽データをアンプからスピーカーへ送る際にその間に入るため
これらコントロール回路を介することでの音質低下はやむおえない
ましてそこで減衰させてしまうなら尚更である

そのためアンプなどの機材では高級機器になればなるほど
これらの調整機構はなくなり、回路直結による音質劣化を防ぐ構造になっていく
パワーアンプなどにはヴォリュームすらついていないものもあるが、これも一例である

また前述の通り、イメージしにくいことだが回路にとっても振動は害悪であるため
振動媒体であるスピーカーに内臓されたタイプは時代の変化と共に消えていくこととなった



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