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オーディオは宗教ではない、生き方の指針だ 門松を爆破せよ
Posted by - 2017.07.28,Fri
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Posted by Siina daioujou - 2011.09.16,Fri

KISIDA SLAYER

「ライブオン・ポップセンス ネオヒロシマデナイト」

(これまでのあらすじ)
全国ツアーライブという強行軍を
カチグミエンタテイメント社から強要された
キシダ・ハヤッピ・サムライテツ・ミッチャン・イチゴの五人は
ナゴヤミソカツシティ公演を観客の死傷者を
5人以下に留めることに成功し
この成功を次なる会場のある
ネオヒロシマでも完遂すべく、道を急ぐのであった


新幹線が荒れ果てたマウンテンシャドーラインを駆け抜ける
その中のVIP席にキシダツアーの姿、ネオヒロシマ公演に向けて
遅刻気味の日程で進むキシダチャーチの面々である

VIPシートに身をうずめたハヤッピの携帯無線機が
突如電子ネコボイスでメールの受信を告げる
ネオヒロシマに住まうフレンドニンジャから迎えの連絡だ

<<リキシャー乗り場に長居 カツアゲ 到着まで待機せよ>>

いきなりの暗黒めいた恐るべき世界の発露を垣間見つつ
新幹線の電子マイコ音声がネオヒロシマへの到着を告げた


ネオヒロシマは広大なセトウチ・シーを埋め立て
数え切れないリバーにはさまれた
三角州の上に作られた砂上の要害である
かつて平安時代にはヤバイ級戦国武将 毛利元就の本拠地であり
現在もその中心部には改築された
ネオヒロシマダイミョキャッスルが禍々しい漢字サーチライトに照らされ
その威容を今日に伝えている
現在も戦闘に使うために整備されているのだ

ダイミョキャッスルが今尚現役で使用されていることから判るとおり
バトルヤクザクランの乱立するネオヒロシマの危険度は
他のエリアの比ではない
ツアーに組み込まれていることを知ったサムライテツは
その場で失禁したほどである

実際新幹線から降り立った瞬間
キシダチャーチの前に立ちはだかったのは
新幹線昇降口をハードに固めるネオヒロシマガードのSPだ
他エリア民が警戒区域を一歩でも出れば末路は1つしかないため
ネオヒロシマ治安局が観光客の立ち入るエリアに
多数のガードを放っている

これはネオヒロシマデッカーがヤクザクランと癒着し
治安維持機構として一切の効力を失っていることの証明でもあった
市民にとってマッポとは制服を着たヤクザなのである



不安げにネオヒロシマの地に降り立った一行は指定された場所に向かう
そこにはすでに威圧感を放つ銀色の武装乗用車が待機しており
その隣には見覚えのある男の姿があった、オーディオニンジャである

「ドーモ、キシダチャーチサン トヨタスレイヤーデス」

「ドーモ、トヨタサン キシダチャーチデス」

同時にオジギしアイサツを終えるとトヨタスレイヤーは車へと促した

「手早く乗れ、ここは警戒区域の端だ」
「そこの道を越えてからは命の保障はできんぞ」

なんというマッポー的世界観!!
ネオヒロシマ最大の駅の向かいの道を越えた段階で
すでにヤクザクランのジムショが見えるのだ
無知な羊はすぐさまカツアゲである

「トヨタサン この武装乗用車は思ったよりも小さい 荷物は大丈夫か」

ギターや衣服といった大荷物を抱えた
キシダの不安げな質問は正しかった
銀色の威圧感を漂わせるそのボディからは
人間が4人と装備一式を入れるには
いささか室内が狭すぎた、それもそのはずである
武装乗用車のベース車両はヘル・トヨタ社のデス・ブレイドだ
カロラ級の小型ボディに
巨大な大型車用エンジンを載せたモンスターファミリーカーである

「無論このままではのらない、だから乗せるようにする」

そういうとトヨタスレイヤーは
突如キシダの180センチある巨体を折りたたみ始めた!!

「ア、アイエエエッ!!」

キシダを座禅めいた姿勢に折りたたむと
おもむろにパッセンジャーシートに押し込み
荷物をキシダの上から圧縮しシートを前に倒してキシダを固定する!!
ファミリーカーとしての想像を超えた恐るべき行為を前に
サムライテツは即座に失禁!!

そのままの流れで気絶したサムライテツを同様の姿勢へ折りたたむと
ギターケースと荷物を拷問めいた体勢で彼の上に置き
その空いたスペースにハヤッピを滑り込ませた
脆弱な肉体をもつハヤッピを気づかったトヨタスレイヤーなりの親切だ

そして4人と荷物の重量をものともせず
武装乗用車デス・ブレイドは発進

格納された3人にトヨタスレイヤーは告げた

「このデス・ブレイドはネオヒロシマ最速の武装乗用車だ」
「たとえモヒカンに襲われようと余裕でふりきれる」
「狭く、いささか持て成しの心が足りていないが命の危険にはかえられまい」
「ネオヒロシマ滞在する間、このデス・ブレイドがお前たちのハイヤーだ」

おもむろにトヨタスレイヤーが天井のスイッチを押すと
小型の隠し扉が開いた、その中にあるのは小型のシュライン!!
このデス・ブレイドは規模は
小さいながらも武装霊柩車としても機能するのだ

「見ての通り武装霊柩車でもある」
「お前達がうっかり死体に変わっても、乗せられるのはこの車になる」
「広々した武装霊柩車で天国へドライブしたいなら夜は出歩かないことだ」

全員が恐るべきネオヒロシマの闇を垣間見 血の気が引くのと
デス・ブレイドが警戒危険区域ギリギリの場所
ネオヒロシマ最大の歓楽街
ナガレカワに到着したのは同時であった

よりにもよって最も危険なエリアのすぐ横に彼らのホテルはあるのだ
すぐ傍に護衛代わりのフレンドニンジャ
オールドブックの自宅があることが
辛うじてキシダチャーチメンバーの命脈を保つこととなっていた

かのニンジャ、オールドブックが暗がりから
ライブ会場移動中のキシダチャーチを護衛するのだ
その必要があるほどにナガレカワは危険に満ちた場所だ

彼らのネオヒロシマライブの前途は入国からすでに多難であった


「ライブオン・ポップセンス ネオヒロシマデナイト」#1 終わり


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Posted by Siina daioujou - 2011.09.12,Mon

http://theinterviews.jp/siina-daioujou

最近流行りの質問めいたサイト
中々面白そうということで登録にいたるも
予測されたかのように愚かな質問が飛び交う

何者にもなれない一般人の虚栄心を満たす
素晴らしいツールだと思いつつ
自ら同じ穴の狢となってエンタメめいた回答を返すのだ

というか最近オーディオ喋りすぎて忍べてない
これはこれで問題でござる・・・

Posted by Siina daioujou - 2010.11.02,Tue
音楽を聴くために必要なものは何かと問われるに

機材と答える人間は正直者で
お金と答える人間は相当にひねくれ者
オーディオと答える奴はオーオタだ

ではまともな耳と答えた人間は?

意外に感じるかもしれないが、障害は意外と身近なものだ
耳が聞こえない、聞こえにくい人間は大勢存在する

それが先天性であれ、後天性であれ
正常な耳は音と付き合うにあたって最も大切なものだ
それに気づかぬは健全者ばかりなり

私は彼の「それはいい音で鳴るのか」との問いに答える術をもたなかった

以来、急性難聴がどんな難病よりも恐ろしく感じるオーオタの日課は

一日2回の丁寧な耳掃除である





孤独のオーディオ 10話



ト・ヨブレはスピーカーの数が多いほど表現が豊かになるわけではないことを知った

皮肉にも彼が邁進していた道に逆行するかのごとく
わずか2つのスピーカーから出る音は深くそして豊かである

倉庫代わりの別室に山とつまれたスピーカー達はその瞬間、置物となり
沢山のスピーカーを使いまわして遊ぶ時間は終わりを告げたのだ

それはト・ヨブレの本当の意味での 「オーディオ」の始まりでもあった


そうなればAVアンプではなくステレオオーディオアンプが欲しくなるのは当然であるから
ト・ヨブレはオーディオアンプを手に入れる算段を画策し始めた

どういったものがステレオアンプで何があるからAVアンプなのか
どういったものがオーディオ用の機材たりうるのかを学び始めたのである


PCをエロ・ゲーと神々の黄昏のためにしか使わなかったト・ヨブレが
本格的にインターネットを本来あるべき用途に使い始めると
電脳空間の英知は思ったよりも不親切であることに気づく

機材の説明やスペックはいたるところにあり、メーカーだけでなく個人のサイトも多数あるのだが

「オーディオをどう使い、どうオーディオたらしめるのか」これがさっぱり無い

機材ありき、オーディオの来歴ありきのサイト達に見るべきものは少なかった
だがそれらのサイトは
彼らがどうオーディオに向き合っているかを伝えるものであって解説サイトではないのだから
今思えば当然であるし
オーディオのノウハウはあたら闇雲に公開するものでは無いことを知るのは後のことであるが
なんとも不思議なもどかしさを感じたものである


そうした鬱屈しとした状況を、身近にオーディオをしている人間にぶつけるべく
ト・ヨブレはカ・マーゲ亭に赴いた





ネットで書いてることはさっぱりわからないし、まずもって日本語が通じているとは思えない
とりあえずステレオオーディオのアンプに切り替えたいのたが、どうにもな

「オーディオが趣味ですなど言っているサイトをいきなり見ても意味などないよ(*´Д`)」

しかしいきなり何も判らないままではないか、卿は一体何を見てオーディオを学んだというのか


「いいかねト・ヨブレ、オーディオというのは音楽を聴く行為だ ただの画面を見ても何もわかりはしない」



ぐうの音もでぬ とりあえずモノを聞かねばならんか


「そうだね、昔はネットなんてまともになかったけど」
「今は色々解説が見られる これはこれで使わない手はない」
「ただ今見ても、何を言っているのか判らない(´Д`;) それは下地が何も無いからだ」

その下地は、基本的な知識?


「それもあるね、それと経験だろうか ト・ヨブレがまともなオーディオで音を聞いたのはここでだけだ」
「良い音とはなんなのか、自分の聞きたい音とはどんな感じのものか探してみるのもいいだろうヽ(´ー`)ノ」

つまり店へいって視聴しろということだな、小利口に考えるなと


「理屈は大事だ、指針の一つになるだろう ただ、データありきになるなということさ」


「さしあたってオーディオショップに招待しよう、丁度視聴会に招かれている」
「ト・ヨブレヽ(´ー`)ノ車をもて、それとそのみすぼらしいスニーカーは置いてゆけ」


やれやれ、店に出向くのに身なりを気にせねばならぬというのか

「視聴会は遊びじゃない、ジャージは禁止だ 背筋を伸ばせよ」





オーディオを学ぶにあたって自然とカ・マーゲはト・ヨブレの師となっていた
理攻めのオーディオ学と病気のオーディオ教 二面の均衡がとれたオーオタは貴重である
先立のオーオタとして、比較的バランス感覚に優れた彼はいい教師役に最適であり
オーディオという趣味の極端な面と、見るべきでない点に同時に触れることができた

これは自称オーオタに良く見られる、高額機材を求めるだけに終始したり
理解不能なインチキアクセサリの収集でシステムを圧迫するなどの愚かしい人々にできていないこと

「機材を使う」という行為と「最適な機材をそろえる」という2つの意味を理解する上で大事ごとであった


この二つの行為は理解されているようで現実との隔たりは遠い代表例である
どんな高額機材も道具として正道な使い方をしなければ実力を発揮できはしない

また、それらの機材は使う側に相応の理解を求めるものであるから
自身のレベルアップに合わせて相応のものに段階を踏んでいくべきである
それを怠った時、無用のトラブルで大切な機材を永遠に失うのである

それら専門性の高い機材は一般の家電と存在意義も必要な維持知識も冠絶している
ト・ヨブレにとってオンキョーアンプがそうであったように
せったくだからと奮発して買った機材が炎につつまれるのは悲しいことにちがいないのだ




さて、一般的エロ・ゲマーから一人のオーオタ(下忍)に出家しようかというギリギリのト・ヨブレにとって
オーディオショップの謎空間は恐ろしい存在でしかなかった
アルテックA7やタンノイを初め、想像だに出来ぬ音色と迫力を放つ大型スピーカーや宝石のような機材達
張られた値札の目玉の飛び出るような金額にト・ヨブレは愕然とするしかない

しかし聞ける音のすさまじさたるや、店の一角の開放スペースでしかないそこは音の神殿である

今現在でも時折冷やかしにいくそのオーディオショップは下取りした中古品をレストアして売っており
そういう意味で後年いくつかの機材を引き取ることにもなるのだが


意外にもト・ヨブレの最初のステレオオーディオアンプは その店で購入されたわけではない

たしかに興味をひいたものがあったことも確かだが
少ない給金のうち私事につかえる金銭は枯渇しつつあったのも確かであり
当時ならんでいたものでまともに買えそうな中古は
ソニーのラジオレシーバーくらいしかなかったという現実が苦しかった



そんなト・ヨブレが目をつけたのは、発展著しい個人取引「ヤフーオークション」

乏しいインテリジェンスを消費して発見したこの文明の英知は
以後様々な機材をト・ヨブレの手に届けることになる





その中でも特別な存在、ト・ヨブレの 最初のステレオアンプ



これがヤッホーオークション? なんとすばらしい たくさんものがあるぞ
何かいいアンプはいいものか、できれば安いものが良い どうせ最初だ
いずれ買いなおすことにもなるだろう、1万円以内でいい



それはまっとうな純正品ではなかった、それを見つけたのはほんの偶然
幾多のオーナーの手をわたる度に改修され、すでに原型をほぼ留めない状態になったそれは

かつて 僅か33000円という価格で世界を席巻した名機の一つ



ほう、若干改造してあるが大事に使っていました
私が始めて使ったアンプです、大事に使ってくれる人に・・・ なるほどこれは運命かもしれぬ
黒いボディに小ぶりながら大パワーとある、S6000を動かせるかもしれない これが良い



DENON PMA-390

その後マーク4になる四代目まで同フレームのまま進化と世代を重ね
19年たった現在もその名390を関した後継機を残す

プリメインアンプ 390シリーズの初代 PMA-390マーク1カスタムとの出会いであった






用語解説


急性難聴

オーオタが最も恐れる病の一つ、理由は自明 耳を失ったオーオタは生きることが出来ないからだ
いかなる音を出そうと聞き取れねば意味はない
生きがいを失い、生を儚んで自決するオーオタもいるほどである

急性難聴は現代において尚、原因不明の病である上 治療法も明確なものは存在しない
症状としてはひどく疲れていると唐突に方耳が聞こえなくなるといったものであるが
この症状が出た場合絶望せず、何にもおいて速やかに専門医に一秒でも早くみせる必要がある

これは初期治療の速さで完治するか治らないかが決まるからだ
一週間以内がタイムリミットであり それをすぎても放置していると復帰はほぼ絶望的である
早期投薬と休息、血流をよくし暖めること 方耳になりたくなければ絶対に動くべきである




Posted by Siina daioujou - 2010.09.23,Thu
たとえば想像してみるといい
自分にとって理想の音とは何か

好きなジャンルは何か、好きな楽器の音は何か
あえて言うなら好きなアーティストでもいい
個人個人音には好みがあるはずだ

人生において1度くらいは、良い音でこれら好きな音楽を
今より良い音で聞いてみたい、そう思ったことはないだろうか?

しかし何時しかそれを人々は忘れるだろう
要因は様々、環境・お金・家族 あるいは音楽という存在を忘れることもあるだろう

安価なデザイニングポータブルプレイヤーがステイタスとして確立し
音楽はそれで十分と思ってしまうこともあるだろう

その人々にとってはそれで十分なのかもしれない 十分だったのかもしれない



だが忘れられない、彼らは 我々は

もっと良い音で もっと良い曲を あの名曲を今一度最高の環境で
もっともっと、その欲が彼ら突き動かす

たった一つ「良い音を聞きたい」それだけがために

それだけが動機で、それだけが全てで それ以外はあらゆることが無価値がゆえに





孤独のオーディオ 9話




初めての大型スピーカー「S6000」を手に入れたト・ヨブレはその恐ろしい音に震撼した

たしかにその巨大な、30センチはゆうにあろうかという大きなスピーカユニットから繰り出される音が
相当に大きく腹に響くものであろうということは予想していたが
ヴォリュームをあげるにつれてたたき出されるその低音に、ト・ヨブレは参ってしまった

恐ろしい迫力である

これがミニコンポなどとは違い、オーディオとして生み出されたスピーカーの力なのかと
驚嘆の限りである、ここまで巨大なスピーカーは生来見たことがないからだ


カ・マーゲの所有するオーディオスピーカー「BC2」よりも更に大柄なS6000は
3ウェイ構成にアッテネーターといわれる音調装置を内臓し
高・中・低の3音の何処を強調するか任意に決定できる機能を持っている

すなわちこれは高音がほしいと望めばツマミをハイにもっていけばよく
ボーカルを押し出したいと思えばミドルへ、低音はローへスイッチすればいいのである

60年代後半から80年代中ごろに至るまでは
スピーカー側にこのアッテネーターが内臓されている事が多かった

スピーカーだけでなくアンプにもトーンコントロールという名前で似た機構が存在し
元々はこちらに多い機構だが、価格の安いミニコンポでお目にかかることは稀である
当時機構的に貧弱だったアンプ側に依存させないためか、外部に搭載させる風潮だったのだろう

振動体であるスピーカー内部にこれら回路を搭載することは
音質の観点からすればあまり良いこととは言えないため、現在では内蔵型は一部を残し衰退したが
1967年製のS6000は黎明期のスピーカーであるから
当然調整部に周波数表の刻印つきでその存在を誇示している


驚くべきことにS6000は製造から40数年、数十年は使用されないという放置期間をへても
その動作は正常であり、アッテネーターも固着しておらず 全機能を使用することが出来た

スピーカーは意外と古くても動けば動くものなのだ
それがゆえに中古でアンプを買うよりは安全といわれるが
実際には経年劣化のダメージを受けにくいというだけで、劣化しないわけではない
何物も状態次第である





これはすごい なんという音だ
すさまじい迫力、低音 しかもサブウーハーのようなテンポのズレた下品な感じではない

しかも3ウェイだ これだけ古いのにまるでミニコンスピーカーが全く相手にならない
ハイもローも そしてミドル・・・というのかな 今まで気にしなかったが

とにかく不思議にミドルモードにすれば歌も聞き取りやすい
全く違う、こんなにも差がある

たしかにカ・マーゲの音は凄まじかった、あれにくらべばこれも・・・だが
これだってまるで相手にしてはいない、オーディオというものは こんなにも差が出るものなのだな




歴然であるその迫力がゆえに、ト・ヨブレは自然とヴォリュームをあげていった
それが後に起こる事件の引き金となるとは露とも思わなかった彼は
ひとまず訪れた自宅の革命に酔いしれた


その後、ト・ヨブレはある考えを思いついた

自分のアンプがAVアンプであることの特性を生かそうというのである
当然多スピーカーとはいってもマルチチャンネルデータを再生しているわけではないから
サラウンドとして再生しているわけではないのだが

サラウンドシステムはスピーカーを四方に配置し、それら全周から音を出すものだと知った彼は
自分の家でやりたくなったのである、AVアンプユーザーであれば当然の反応であろう


最も大きなS6000の上にサンスイ3ウェイを乗せ、更に上にオンキョースピーカーを乗せるという
信じがたい超時空音響要塞マクロスと化していたそれはトランスフォーメーションを果たし

ダイダロスアタックもかくやという左右に広がった配置をとった 正に強行型である

オンキョースピーカーを横に寝かせて本棚の中に入れることで見た目よく
本棚から張り出した両翼の棚上にサンスイを、そして
その棚の下に本棚の構造材で覆うようにガードされたS6000
部屋を格好よく見せながら 多スピーカーらしい配置を実現し ト・ヨブレは満足の極みにあった

前から広く放射される音楽は臨場感たっぷりで心地よく
大型スピーカーからはじき出される低音は腹の底に響き渡った


感動の極みである彼はどんどんヴォリュームをあげていく
そしてその日も気分よくアンプのヴォリュームを捻ったそのとき

マンションの内線がけたたましい音を立てていることに 辛うじて気づいたのである



そう初めての騒音苦情だった





不思議だった、全く納得できないのだ

何故ならト・ヨブレにとっては「以前ほど音をだしていない」からである

S6000を導入する以前の方がむしろ音は大きかった筈だ
ヴォリュームだって今のほうがむしろ低いぐらいで、実際自分で聞いていても
ヴォリュームをあげないと「なんとなく音が判りにくい」くらいだ

たしかに大きなスピーカーがあるから低音はでる、そのことなのかもしれないが
それだって以前より少し強いぐらいだ、内線がかかってくるレベルとは思えない

疑問は膨らむばかりである



そんな折、カ・マーゲが外食のため車の迎えを要求したので
よい機会であるから、話を聞いてみることにした





こういうことなのだカ・マーゲ、まるで不思議なことだ

「クレームつけられるほど爆音ってどんだけだね(´Д`;)」
「しかしまぁ こないだ見た様子じゃ無理もないだろうね」

どういうことか? 卿は何故見ただけで判るというのか

「そりゃああれだけ条件が整っていれば、出る音くらい察しはつく ヽ(´ー`)ノ 」

「何故かなどいうまでもないことだ、ト・ヨブレ うちでもう一度音楽を聴け」




彼はそう言うと、いつも聞いているCDを持って家に上がれと促した
カ・マーゲは疑問に対しては初め、明確な回答はしてこない
答えを知りたいなら聞けということだ、ヒントを与え自己解決を求める

あるいは考えることを促しているのかもしれなかった




何時もながらいい音だ、これでやられては流石に家が霞む

「そうだろうさ(*´Д`)  だがそれだけじゃないだろう、どう思った」

どうといっても、只管音が良いとしかな・・・

「そうじゃないト・ヨブレ、良し悪しは問題ではない」
「音はどうだったかと聞いているんだ、どう聞こえた? どういう差があるんだね」


こっちはハッキリしている、なんというか音が輪郭があるというのか? わかりやすい

「そうだト・ヨブレ(*´Д`) 「わかりやすい」だろう? ぼやけた感じがしないだろう」
「ハイもミドルも判りやすいが、それ以上に低音はどうだ 家のようにボーンボーンと鳴っていないだろう」

まさに、なんか低音がブブブとかボボとかボーンとか そういう感じの音がしていない
スピーカーが違うからか? こっちはそういった音がない




そこまで喋った所でト・ヨブレはハッとした
奇妙な違和感に気づいたのである、一番ハッキリした違和感は音ではあったが
今度のそれはもっと広い範囲のものだ

そう音量が 小さい




いやまて、ヴォリュームをそんなにあげていないはずだぞ 何故こんなに聞こえる 何故だ


「気づいたか、そう実は今それほど音量を出してはいない しかし音楽は判りやすいはずだ」

そうだ、うちよりずっと小さい音だ なのに何故こんなに繊細なところまで判る?
システムの値段が桁違いだとしてもこれほどまでに差が出るものなのか

「それは違うト・ヨブレ、君の家でさえ これに近い状態に本来はあるはずだ」

では何故、我が家はああなってしまうのか 何が間違っているというのか?


「近隣にご迷惑をおかけしているのは、まぁ低音が主だろうということ察しているな?」
「そして低音には良い低音と悪い低音が存在する、前者が我が家で後者が君の家さ」

・・・


「何故そうなってしまうのか、原因は複合的でどれが というわけではないが」
「そう、しいていうならば」

言うならば?



「出る音の数が、多ければ良いというものではないだろう」






カ・マーゲはそれ以上語ろうとはしなかった
だが重大な、重大すぎるヒントには違いない、最後の一言におそらく集約されているだろうからだ

悪い低音をだしてしまう、それが苦情の原因
そして、音がわかりにくい原因 全てが繋がっていると言いたげな台詞回しから察するに
間違いなく、要となるのは低音であろうからだ


ト・ヨブレは帰宅すると音楽をかけながら、機材を睨み 意識を集中した
そしてカ・マーゲの家で聞いた音とすり合わせ、違いを感じようとしていた

しかし結果は無常である、差がありすぎて違和感ばかりが耳につく

しかし低音をイコライザーで調整したところで違和感が強くなるばかりだ
一体何が足りない、何処を間違えているというのか、悩み続けた




もっとだ 考えよう、何が違う?
音だけじゃない、機材も・・・機材・・・?

そうだ、構成に大きく違いがあるではないか 俺はスピーカーが6個
あっちは2つじゃないか、しかし全く何もかもがあちらが上だった 2つだけなのに臨場感ですら

これのことではないのか「出る数が多い」というのは スピーカーの数のことを言っているのではないのか

まず2つにしてみよう




その結果は、不思議なものだった
たしかに2つになり臨場感はどこかに消え、寂しくなった感じはしたが
もやはそんなことはどうでも良いくらい「音が聞きやすくなった」のである

それだけではない、そのまま聞いているうちにハッキリと
今の方が音が良いのではないかと思えてきたのだ、何より違うのはS6000のウーハーが吐き出す音である
ボボボとくぐもった感じしか出せていなかったS6000は見違えるように伸び伸びと音を出している

今だにボヤついた感じは残るものの、先ほどとは全く違う
そしてヴォリュームも12時を過ぎずども、ちゃんと聞き取れる



これが答えだったのだ、ト・ヨブレは確信した


スピーカーの数が多ければ良いというものではない ということを








用語解説


アッテネーター

オーディオにおけるアッテネーターの役割は好みにあわせて出る音を調整するという存在意義を持ち
これらはアンプやスピーカーに搭載される場合、レベルゲージに合わせて調整できるよう
ツマミ形状のロータリースイッチで動作のON/OFFと調整を行う

アッテネーター本来の機能は減衰機であり、一定部分を増幅して強調するものではなく
むしろ一部分を下げることでコントロールしているのであるが
利用するにあたっては特定音域を強調するためのツマミだと認識していればわかりやすい


これらの回路は音楽データをアンプからスピーカーへ送る際にその間に入るため
これらコントロール回路を介することでの音質低下はやむおえない
ましてそこで減衰させてしまうなら尚更である

そのためアンプなどの機材では高級機器になればなるほど
これらの調整機構はなくなり、回路直結による音質劣化を防ぐ構造になっていく
パワーアンプなどにはヴォリュームすらついていないものもあるが、これも一例である

また前述の通り、イメージしにくいことだが回路にとっても振動は害悪であるため
振動媒体であるスピーカーに内臓されたタイプは時代の変化と共に消えていくこととなった



Posted by Siina daioujou - 2010.09.12,Sun
スピーカー それは特別な存在である

いわゆる家電 というには電子機器じみていないし
道具 というには汎用性に欠けている
置物としてみるならば正直、偽者と判っていても小伊万里の皿のほうが見栄えもよかろう

音を表現するという意味だけを持たされたそれらの製品は
驚くほどそれ以外の用途に使うことが出来ない

万能便利な道具はもてはやされ、多くの人に使われる アイフォンなどが良い例だろうか
しかし万能便利な道具はあくまで生活における道具でしかない

それ以外の何にも使えず、置き場も取る上生活の向上になんら寄与しない木箱達


だがそんな非合理な存在だからこそ  スピーカーは特別な存在なのだ





孤独のオーディオ 8話




人生においてこれまでかつてない衝撃にみまわれたト・ヨブレは
その若さゆえであったかもしれないが行動は迅速だった

オーディオというカテゴリにおいて
一般市民が見ることのかなわない領域があること
それが普段は隠匿されており、デュオデュオや巨カメラのような市民向け家電量販店には
それらの存在を置いている所は極めて稀だということなどを悟った

実際彼が出向くゴミ屋はあくまで場末のリサイクルショップであるし
近場の電気屋といえばあろことかアプライド(PC屋)である
そんなところに秘匿されしオーディオ機材があるはずが無い


大きな問題もある、ト・ヨブレの口座 その瞬間の残高は一万三千円少しである



社会人1.2年の頃を思い起こせば多くの人が金が一円も残らない生活をしていたと答えるだろう
その例に漏れず、ト・ヨブレはまさに社会の底辺といっても過言ではない有様であり
貯蓄などという言葉は己の辞書になかった、節約という言葉もついでにない

合言葉がウッヒョーコロスコロスの状態で、金が残っている筈も無かった



しかしそこで金がないからと諦めるような人間は到底オーオタになることはできない
現状の自分に許された最大限で現状の最良を求める精神をこそオーディオの教えであり
何も高額機材をいきなり買う必要などないのである

少ない金を使って「オーディオ」に近づくために何ができるのかをト・ヨブレは考えた

しかし答えは正直1つである「中古しかない」




当時の彼はまだオーディオという存在を知ったばかりで、モノを調べる知恵もない状態であるから
出口優先の思考もなければ、何がオーディオらしいオーディオなのかがまるで判っていなかった
指針こそ見えたものの、ようするにどの機材がオーディオ機材なのかさっぱりな状態である

そんなト・ヨブレはそれっぽい見た目のアンプを買うことから始めた




この黄金色に輝く、巨大な物体 これはアンプだ

まさにスピーカーを繋ぐ場所が大量についている これはすごいな
それに凄まじい重量だ、アンプというのはこんなに重いのか

それによくみたらCDを入れるところがない、MDもだ
これは最初から線で音を飛ばして再生させるものなのだ、これこそオーディオに違いない

それにこのスピーカー、カ・マーゲのあれよりは小さいがこの箱には3つスピーカーがついている
いかにもそれっぽい、これとこれだ 早く運ぶのだ、ジ・マール

「うっせ★ 俺は玩具コーナーに桃源郷を見た★ イケメン面の機関車達が俺の荒んだ心を癒す★」

奴隷に口など必要はないな

「やめろおまえ俺が何したって言うんだ僕はただトーマスのどや顔で世界にラブ&p ウワラバー!!」



友人をピラミッド建設の奴隷のごとく扱い、スピーカーを背中に抱えさせてト・ヨブレは帰宅した
残高全てを消費して手に入れたのは
ヤマハのAVアンプとサンスイのホーム用3ウェイスピーカーであった
正直何も知らずに買ったがゆえのニアミスだが
帰宅して鳴らしたト・ヨブレは、値段からみれば大成功だと大いに喜んだ

実際3ウェイスピーカーを使うのは初めてであるし
なにより人生で初めてアンプらしいアンプを手に入れたのだ

それにこれらの機材が後に大きなことをト・ヨブレに教えてくれるのである


さて、AVアンプにはある機能があることをご存知だろうか?
AVアンプをAVたらしめるそれはホームシアターシステムと連動するための
マルチチャンネル再生機能のことである、一般的には5.1チャンネルなどと呼ばれ
現在はステレオオーディオの世界よりもずっと、市民とって一般的オーディオである

当然、これに対応するからにはスピーカーを繋ぐための端子が複数ある
ト・ヨブレはそれに目をつけたのである


これまではLRの1セットしかない場所へ2セット分のスピーカーを無理やり差し込んでいたのだが

AVアンプにはなんとLR端子が2セットにリヤスピーカー用のR端子左右が存在する
つまり無茶をしなくても3セットで6発のスピーカーが同時に鳴らせるのだ
まさに多スピーカーに傾倒したままのト・ヨブレにとって神の贈り物である


とある事件のせいで、ト・ヨブレは無理やり1つの端子に詰め込むことの危険性に気づいたからだ







それはある休みの雨日和、いつもどおりスピーカーを多数つなげて遊んでいたある日

スピーカーをつなけばつなぐほど音が増えていくことを楽しんでいたト・ヨブレはある無理を通した
1つの端子に一体どれだけ接続できるかという無謀な挑戦を

最終的にオンキョーミニコンポにスピーカーを4セット8個接続し、CDを再生したその瞬間事件は起きた




ボォン!!            



リモコンを握ったままト・ヨブレはその光景が信じられなかった

それなりの大金を出して買った愛機オンキョーアンプが炎を噴きだしたのだ
激しい黒煙をしばらく噴出し、それは永遠に沈黙することとなった

原因はむき出しの銅線が接触したことによる短絡(ショート)である


そもそも8発もミニコンで動かそうというという状態がすでに様子がおかしいのだが
ともかく、その事件以来多スピーカーをするには端子が多くないとだめだという意識が芽生えていたのだ





晴れてスピーカー6発体制で音楽を楽しめるようになったト・ヨブレだが

そうなるとスピーカーそのものを収集しようという欲がでるのは当然のことだろう
それもなるたけ、大型のアンプに相応しい大きさをもった大型スピーカーを である



そしてそのスピーカーを1セット手に入れるアテは既にあった

祖父母の住む実家に帰省した際
物置同然に捨て置かれた一室の片隅に、あるものが置いてあったからだ

それは40年も昔のこと、オーディオ機材を持つことがステイタスとなりつつあった時代に
祖父がシステムごと買ったオーディオセットの一部である


実際にはアンプやレコードプレイヤーを含めて格納する専用ケースすら全て揃っていたのだが
アンプは電源しか入らず、テープやレコードは既に40年の歳月のため永遠に沈黙していた

しかしスピーカーは別である、薄汚れてはいたがユニットは3ウェイ全て健在であり
古いスピーカーにありがちなコーンエッジのゴムがポロポロで穴が開いているということもなく
布で作られたと思しきスピーカーコーンとエッジは40年の月日を経ても劣化は見えない

その自分の腰ほどもある巨大なスピーカーを引き取ろうというのだ



その大きなスピーカーの名は オンキョーS6000

初めてト・ヨブレが手に入れたオーディオ用スピーカーである








用語解説



AVアンプ

オーディオビジュアル(AV)専用に開発されたマルチチャンネルアンプの通称
いわゆるAVアンプといっても多々種類が存在し
Jネット★タカタでテレビとセットで更にお安く等とほざいているものは2.1チャンネルの紛い物

AVアンプはこれれっきとした単一の機材で、見た目は接続端子がやたら数が多い
液晶画面つきの大型アンプといった風情である

最大の特徴マルチチャンネルは録音・編集の段階から
音声が前後左右の音が発生する位置を画面にトレースさせる目的で作成されるもので
ライブDVD等はともかく、ステレオCDをこれで再生してもマルチ再生されるわけではなく意味はない

2チャンネル(ステレオ)を再生してもそれが複数のスピーカーから出るだけであり
リヤスピーカーの意味も当然薄いが、多スピーカーの効果そのままに臨場感は絶大である
これに心酔し、そのままAVの世界へ行ってしまう者も少なくないのが現状である

しかしたとえ高性能なAVアンプを使用したとしても
多スピーカーである以上1つスピーカーから発生する音エネルギーの総量は数の分だけ減少し
音質的にはステレオアンプに大きく水を開けられてしまう

これは用途の違いによるもので、多機能を求めるAVアンプが構造上不利なのであり
存在の優劣を語るものではないない

ステレオにはステレオ マルチにはマルチのためのアンプが存在し
これらは映画等、映像と同時に楽しんでこそ本当の価値を発揮するものである




プロフィール
HN:
Siina daioujou
性別:
男性
趣味:
オーディオ
自己紹介:
広島某所在住、オーディオを趣味とする
部屋が音聞く・寝る以外の行為不能
ゴミ箱があれば部屋としての面目は立つ
カウンター
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