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オーディオは宗教ではない、生き方の指針だ 門松を爆破せよ
Posted by - 2017.10.17,Tue
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Posted by Siina daioujou - 2010.09.10,Fri
その日、オーディオに出会った
それまで見てきたどんなものでもない「本物の」オーディオに

それで何をしようというのか
それで何を見ようというのか
それで何を聞こうというのか

オーディオというものに触れる人間にそのような問答は不要である

それをこそ無心に求めるがゆえに 彼はオーオタなのであるから





孤独のオーディオ 7話




その奇天烈な男はひたすら胡散臭い



「スピーカーばかりみていたようだが、 何をしようというのか(*´Д`) 」



誘われるがままにカレー屋へ連れられたト・ヨブレは
自分が何を求め、何をしようとしているのかを語る

これまでの経緯、求めているもの、発見したもの探すもの
不思議とそれらを語る気になったのは、その男がそれと悟らせる程度に
言葉の節々に見せる「自分もエロ・ゲーを嗜む」という意思表示だった

ト・ヨブレよりも幾分か歳を重ね、何年も前から社会で飯を食っているせいか
よくある若さゆえのエロ・ゲーへの奇妙な崇拝や意思表示はなく
落ち着いた様子でホワイトアルバム(当時はまだリメイクされていない)の魅力を語る姿は
それなりの苦楽を二次元煩悩と過ごした者、まさに悟りを開いた様子である

カレーを完食しきり、辺りが夜の街へ変化しようという時間までエロ・ゲー談話が進む


ただそれだけで終われば、不思議な男も居たものだ で終わったのだが・・・



「ト・ヨブレヽ(´ー`)ノ 部屋にこないかね」

卿は初対面を会ったその日に招くのか、豪気なことをするものだ

「今日でなくてもかまわないが、一度くるといい(*´Д`) 」

いや、この際招きに応じるとしよう、オ・タクーの部屋拝見といこう




そこで一度断れば、きっと
二度と再び会うことも無く、彼の部屋にあるものを目にすることもなく終わったことだろう

何故か彼はそこで行くという判断をした 正に、人の命運は奇奇怪怪






彼の部屋はそれなりに高額なマンションの高階層にあった
身なりが素人目にも良いことから、おそらく高給取りであることは伺えたので予想の範疇内である

貴族のエロ・ゲマーも昨今そう珍しい存在ではない

部屋の一角を煩悩の秘密道具を収めてあったであろう空き箱が埋めていたり
壁一面に貼り付けられ、ド根性ガエルのごとき薄っぺらい姿にされた哀れな美少女達の姿があったりと
とても世間様にお見せできぬ生活空間を隠し持つのに身分の貴賎はない




しかし、この部屋にあったものは桃色の空間などでは断じてない
ロフト付きの広い室内の一角を完全に占拠していたのは

無骨なくすんだ木の色そのままのやや大型の箱が2つに
見たことも無い鮮やかな色と信じがたい太さのケーブルで繋がれた鋼鉄の地肌むき出しの物体

それが放つ空気は、到底常人に耐えられるものではない


その謎の巨大システムが何をするものなのか、用途は辛うじて判る

木箱は見たことも無いほど大きいが、ネットの外れたスピーカーのように見えるし
二つある鋼鉄の平べったい箱は、おそらくアンプであろうからだ

しかし見たことが無い、こんなものは
だが明らかに自分が見て触ってきたものと、一線以上を隔することは明確である



まるで異質な世界に立ち入ってしまったような哀れな旅人、ト・ヨブレは思わず後ずさった




これは、これは一体なんだ なんなのだ

「オーディオ」

オー・・・ディオ? これがか こんな巨大なものがか? なんの冗談だ

「何処にも冗談などない、これはオーディオだ、これが、これこそがオーディオというんだト・ヨブレ」

鳴るというのか? こんなものが こんな巨大なものが 音楽を出すというのか?

「そうだ、そのために、そのためだけに存在する」






「聞いていくかね?」










その日、耳に入り込んだ「音楽」というものを生涯忘れることは無いだろう
当時のそれより優れた「音」はその後幾度も聞くことになるが
そのとき初めて「本当のオーディオ」で聞いた最初の音は特別なものになった

同時に、ト・ヨブレがやってきた あらゆる行為が無駄になった
どんなに探しても、ゴミ屋に二束三文で転がるミニコン用スピーカーでは
到底太刀打ちできぬと、否応なしに理解してしまうその音色

その全てに魅せられた、音・見た目・雰囲気

まさに、全てを過去のものへとする 文明開化の鐘そのもの
一度として聞いたことの無い、楽器の生々しい音の数々と広がり


革命であった、その感動を言葉で表すには彼の乏しい表現力では身に余るだろう






ト・ヨブレは彼に問うた、どうしてこんな音が出るのかと

回答はただ一言である



「これがオーディオだからさ」





そう、ト・ヨブレがその音を手に入れるにはオーディオを得なければならない
今まで手に入れてきたものとは明確に次元の違う存在
オーディオという名前を持ちながら存在意義の異なる機材達を

手に入れなければならない、自分の手で




その日彼はオーディオを知った

長い長い、旅路の始まりの日である














そしてその日ト・ヨブレは、あまりのことに忘れていた事を彼に改めて問うた



そういえば今更だが卿の名を聞いていない、なんというのか

「そういえば(´Д`;) 名乗るのを失念していた_( (_´Д`)_ 」



「私の名は カ・マーゲ 」












登場人物



カ・マーゲ (マスター・カ・マーゲ)


ト・ヨブレが初めて遭遇した「本物のオーオタ」
本来隠れ潜み、その実態を一切外部に漏らすことの無いオーオタ達が
こうして人々の前に現れることは極めて稀である、いずれ書き記すことになるだろうが
オーオタには極めて厳しい戒律が存在し、それを破ることは己と己の機材の死を意味するからである

遭遇後、曲折を経てト・ヨブレのオーディオの師となるが
そのオーディオ暦は古参のオーオタ以外が死滅しつつある現代においては若手の範疇に入る
しかしながら明確に自分の求めるオーディオのスタイルを確立させ
それを実現可能な技量と経験を併せ持つ数少ない「一流」であり、一目置かれるゆえんである

尚オーオタの世界はこうした特性上、伝道は世襲に頼らざるおえず
新たなパダ・ワン探しもオーオタの義務の一つであり
ト・ヨブレが目を付けられた経緯にはこうした背景も存在する



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プロフィール
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Siina daioujou
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男性
趣味:
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自己紹介:
広島某所在住、オーディオを趣味とする
部屋が音聞く・寝る以外の行為不能
ゴミ箱があれば部屋としての面目は立つ
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