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オーディオは宗教ではない、生き方の指針だ 門松を爆破せよ
Posted by - 2024.05.05,Sun
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Posted by Siina daioujou - 2010.08.26,Thu
趣味は人の生をより輝かせるものだという
だがそれは本当の深みを知らぬ者の戯言にすぎない
輝く程度で済んでいるものが、趣味であろう筈が無いからだ

光届かぬ深遠の地獄こそが本当の趣味、オーディオはその最たる例の一つである



孤独のオーディオ 2話




エロ・ゲーの洗礼を受けることで
オ・タクーの道へ足を踏み入れたト・ヨブレだったが
そのゲームチョイスは異彩を放っていたといわざる終えない

18の男児ともあれば、己の若き欲望を解き放つべく
エロ・ゲーらしいものを選ぶのが通例
しかし彼が欲するところは主題歌およびゲーム中の音楽にある
現代でいうところの葉鍵に傾倒していくのは避けられぬ道であったろう

そんな中、卓上スピーカーを小さなサブウーハーのついた
「サウンドブラスター」に代替することで
ト・ヨブレの音楽を聞くことへの情熱は楽曲収集に移っていた



「ト・ヨブレ、お前が欲しがっていた葉のサウンドコレクションだ」

おおこれは確かに、卿(けい)を正に盟友と呼ばざるおえない

「たやすいことだ・・・そこでなト・ヨブレ 話があるのだ」

これの礼もある それなりの対価を用意できるつもりだ、言ってくれ

「共に来てほしい所がある、コミケというものを知っているか?」



年2回のお祭り騒ぎの存在を知ったのは18の夏のこと

色欲浄化の魔道書エロ・ドウジンを大量に確保するため、
己の分身として助けが欲しいという悪友の話だったが
ト・ヨブレの心を騒がしたのは音楽CDが大量に出品されている、ということだ

あわよくばプレイ中のMMORPG「黄昏」の
できればポニテプリのエロ・ドウジンがないかという欲望も秘め
某日、帝都へ向かう決意をしたのだった


そこであるCDと出会うこととなった、その名は「町田」
アトラクナクアのCDを逃したト・ヨブレが
やむなく手にとったそれを帰宅し再生したとき
不思議な感覚が芽生えたのである



妙だ、TU★TA★YAで借りるCDとはまるで違う感覚 歌ではない これは一体?
最後のこの曲、なんという澄んだ べるめい 一体何者だ



するとどうか
それまで満足していた筈の小型サブウーハーが唸るような空気を吐き出す音に

ト・ヨブレは瞬間的に耐えられなくなった


サブウーハーというものは本来卓上に置くような物ではない

低音・極低音を至近距離で発生させれば音楽としてのバランスを欠くのは当然である
小型であるがゆえに卓上におけてしまったことが
ト・ヨブレのその後の機材選択に大きく作用した
サブウーハーという存在が過剰に低音を発生させる邪魔者であると認識したからだ


足りない音域を補うという思想からすれば決して間違いとはいえない

しかし・・・ステレオオーディオという視点から見れば
サブウーハー排除は、ただ一つの回答であり
AV(オーディオビジュアル)に多い低音主義に染まらなかったのは
後のことを考えればとても大きな事件だったといえるだろう

事実、オーオタ修行の通過点の一つでもある
「多スピーカー主義」はAVへ流れてしまう原因の一つ
その存在の是非が常に問われるものであることには違いない



かくして、再び再生するものとしてのスピーカーに不満を得たト・ヨブレだったが
それなりに高いPCオーディオを買っていたことが彼の疑問を増幅した

店にあった最高額に近いスピーカーを用意したのにも関わらず
ということが納得できないのだ



こんなことでは、しかし高いPCスピーカーはサブウーハーがついてるものしかない
一体何にしたらいいんだ、イヤホンは長時間つけられない

CDRに焼いてウォークマンで聞かなくてはいけないのか・・・

CDに焼いて・・・ そうだ CDだ 親のコンポで聞けるじゃないか

あれはたしか壊れていた筈だし
自分で買えば良い、ゴミ屋にミニコンポとかいうのが一杯あった あれがよい



思いがけぬ発見から、リサイクル屋に並べてあった
「CDを入れる物とスピーカーが一緒になっている物」の存在を思い出したト・ヨブレ

それが、とても大きな一歩であることを知るのは数年後の話である




用語解説

多スピーカー主義

音声発生体であるスピーカーを
複数同時に可動させることで感じる臨場感を至上とする思想

AV(オーディオビジュアル)の複数チャンネル再生もこれに該当する
AVの本来の意義は映画などの映像と連動した音声再生に威力を発揮するものであって
本来音楽のそれを鑑賞するためのものではないため、オーディオと区別がされている

オーディオ修行におけるこれを指す場合多チャンネルではなく
「ステレオチャンネル」を無理やり2個以上のスピーカーで再生する行為のこと

アンプに大きな負荷を与えるばかりか
スピーカー1個づつの駆動力も大幅に低下するため
音質的には非常に大きなマイナスしかもたらさない

臨場感に飲まれず
音そのものの音質が悪いことに自ら気づくことがオーオタへの第一歩
明確に成果が判りやすい修行のため、オーオタ育成時にはよく見られる光景である


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Posted by Siina daioujou - 2010.08.26,Thu

オーディオと出会ったのは、ようやく18になろうかといった頃であった
当時の稚拙な手記を辿れば、今も鮮やかにかつての有様が蘇る

オーディオにさえ手を出さなければもっと世間的リア充であったろうと
誰しもが指を刺して言うだろう、しかし彼は迷い無くこう答える「否、私は十分リア充だ」と


孤独のオーディオ 1話



オーディオ (Wikipedia)

高音質再生を追求する目的、あるいは、自分なりの好みの音楽性を実現する目的で構成された
趣味性の強いオーディオシステム、および、それを構成する各々の高級音響機器群のことを指す



高校最後の夏休みも間近というあくる日、私こと豊田無礼(とよたぶれい)は友人の部室に招かれた
その悪友は学園にエロ・ゲーを普及することに熱心な愛の司祭であり、エロソムリエであったが
部室の隅に置かれたPCから私に顔を向けた彼は自信に満ち溢れた凛々しい眼差しのまま


「ト・ヨブレ、いいものがあるファミコンゲー原理主義のお前でも満足できる、必ずな」


私に悪魔の囁きを告げたのだった
ト・ヨブレというのは当時から続く私の愛称であるが本来はトヨタデイブレイクというものを短縮したものだ

彼が手渡してきた箱にはAIRと書かれており、巨大な目が印象的な少女達が書かれていた
PCを手にしたばかりでエロ・ゲーの洗礼に触れる前のチェリーな私にも判る、これはオ・タクーへの誘い


まて、卿(けい)は私にエロ・ゲマーになれというのか
この身は電撃PSに捧げていると言ったはずだ お前の姦計にはのらぬ

「聞けト・ヨブレ、それはただのエロ・ゲーではない、数多くの男達を感動の渦に飲み込んだ偉大なものだ」
「物事の本質は上っ面で判断するものでもなかろう
それにそれは見ての通りお前の憎む痴漢物ではない、使うのは自由だ渡しておくぞ」

卿がそこまでして押し付けてくるというならば尋常のものではあるまい・・・
いいだろう、俺も男児だやらせてもらおう

「その言葉を待っていた、物語が佳境に差し迫ることを察したら一度止めろ
いいな? 必ずだ そして休み前の日に一気にケリをつけろ」

何故そのような慎重にせねばならぬのか?
不思議なことをいうものだエロ・ゲーは節足を尊ぶのではなかったか

「その必要があるからだ、まあ今知る必要もあるまい
おのずと理由はしれるだろう・・・話はこれまでだ、自宅でPCがお前をお待ちだ」


これが始まりの一歩であった

本来オ・タクーであればここから訓練されたエロ・ゲマーとしてさらに訓練された司祭になるのだろう
しかし、彼を魅了したのは・・・ゲームではなかったのである


はじめてみるゲームのOP 聞いたことも無い女性の歌声
音楽といえばユーロビートしか聞いたことの無かったト・ヨブレにとって
それはまさに驚愕の世界だった

その後しっかり友人の忠告を守らず 2.3日無気力な姿を学園に晒したト・ヨブレは考えた

あんな歌があるとは・・・しかもエロ・ゲーだという もっと聞きたい
いや あんなUSBでつながった小さなスピーカーではダメだ もっと・・・
そうだPC屋に大きいものがあった あれがよい

何度も聞き返し拳大程度の小さなスピーカー2つから鳴る音では到底満足できぬと彼は走り出した

それがその後続く、果て無き旅路の始まりとも知らずに・・・




登場人物

ト・ヨブレ(トヨタデイブレイク)

あろうことかゲームの音で音楽鑑賞に目覚める、オーディオの道は深く険しい
その門戸は今だ開かれず、しかし人はいずれ見るだろうその背中を
彼の長い旅路は今 始まったばかり・・・



Posted by Siina daioujou - 2010.08.25,Wed

オーディオに浸かる経緯は人それぞれです
誰が何をしていたからではなく
オーオタであると自分が自覚し、認めることで人はオーオタとなるのです

とある人物の軌跡をここに書き記すことで
どこかの誰かにオーディオに興味を持ってもらえれば幸いです

登場人物はもちろんストーリーもあくまでフィクションです、きっと
まさにリアルファンタジーといわざるおえません
作中の人物を現実世界で探すのはやめましょうね



Posted by Siina daioujou - 2010.08.23,Mon
せっかくブログという言葉を残す場所を得たので
オーオタという存在がなんなのかも書き残しておきましょう

前回の文章でいかにも自分はオーディオの現状を憂いた
新気鋭の現代オーオタのように感じられるかもしれませんが 実は保守派

お前あれだけ偉そうに語っておいてといわれるかもしれませんが

オーオタってのはそういう生き物なんだよwww
良い音がでるならそれでどうでもいいんだよwww
他の誰がどうしようが自分が良い音を聞ければそれでいいんだよwww

というのが基本的にオーオタの思考回路でございまして
判っていても、基本は口を閉じて黙し潜むのが正しいこととされておりまする

凄い忍びます、黙して語らず日々ひっそりとオーディオの研鑽をして暮らす
社会的生産になんら寄与することのない いわゆる典型的オーオタです


その反社会性から、一般には理解されていませんが
オーオタという生物は基本的に「音がよければ良い」という存在であり
その「良い音」の定義は様々ですが(自分にとっての良い音である、という意味もあるため)
良い音を求めるためにはその他の物事は 「平等に価値がない」 というのが共通で

つまり良い音のためなら何を犠牲にしても良いという物事のとらえ方をすることであり
常識的かつ人間的な倫理感とは完全に隔絶しています

音を聴くためにオーディオをする というよりはオーディオをするために音楽を聞く
オーディオをするために日々の生活を回転させる という状態に陥っており

普段何気なく生活しながらも基本的に「視点は全てオーディオを通したもの」となっています
その目線の中には友人も家族も恋人すらも存在しないのです

社会的生活の中ではオーオタであることを只管隠蔽し、会社や組織の中では無趣味なのではないかと
訝しがられるような存在は危険です、オーオタである可能性があります
オーオタという存在は社会的に目立ってはいけないのです

この現代の隠者とまでいわれるオーオタの特徴は
「自分が研鑽し研究したオーディオの蓄積を他人に知られたくない」
という思考からきています

オーオタは自分一人のことしか考えません


オーオタの同族からは彼らの蓄積した技術、経験を盗もうとし 自分は隠れ潜む
最も模範的オーオタの姿であり 「良い音を聞くのは自分ひとりでいい」 という思想そのままの姿です

自分より良い音を出している存在は抹殺の対象であって友人ではありません
オーオタにとって同じ趣味の仲間は技術を奪うための敵であって仲間ではないのです
この特徴こそが孤独の趣味、盆栽をすら超える孤立した精神性と
常に周りに警戒心を巡らせるがゆえの殺伐さを放つ理由なのです

この究極の内面世界と同族との雄雄しい一人きり戦いの末
オーディオはスピーカーという音声発生体を使いこなし、空間で音楽を表現するという一点において
他の追随を許さない能力と経験・技術を持つに至ったのです

しかし その歴史の結果

積み重ねられた経験と技術は半ば魔道と化し 後世に伝えられることなく多くが失伝していきます
他人に知られたくないのだから、当然書物に残すことはありません
後に続く後輩達ですら敵なのですから当然です

ごく一部の良識のカケラが辛うじて残っている人物が僅かに魔法の秘密 その一部を残して死んでゆくだけで
多くのオーオタは自らが死ぬ時、その魔道の技も黄泉路へもっていってしまいます

結果的に正しくスピーカーや機材を使いこなす技は常に失われ続け
何年たっても「」にたどり着かずに多くのオーオタ達が
「あれもしたかった、これもしたかった」と呻きながら何も誰にも伝えずに天寿をまっとうするのです

残された家族にとって魔法の道具はただの粗大ゴミです
オーオタの人生をかけて練成されたそのシステムも多くは受け継がれず炎の中に消えることになります

オーオタの道は常に坂道であって終わりはなく その末路も多くは恵まれないものなのです。


Posted by Siina daioujou - 2010.08.23,Mon
ブログの利点は長ったらしい文章を書いてもmixiのように文句が出ないことである

オーディオ話をどうこうの前にちょっとした小話でも


誰しもオーディオと聞けば高額の機材に大金をつぎ込み
ドでかい部屋で音楽をかき鳴らす、お金持ちの趣味というイメージがぬぐえないのではないかと思う

そのような先入観を市民に持たせ、業界から遠ざけた戦犯はメーカーや雑誌組もさることながら
オーオタという存在によるところが大であろう

たしかに上記の姿はオーディオの最終進化の過程であり けして間違いではないのだが
それは極論すれば極一部の大金を余らせた人間のことであって けして全てではない
これら物量主義が横行したのはオーディオバブルと呼ばれた70年代から80年代後半が発端であり
高額の部品・素材を余すことなく使用できたバブル経済時代品と共に 思想的負の遺産となった

オーディオという趣味は現代でこそ衰退の限りをつくしてはいるが
当時は高額機材によるオーディオセットを自宅に持つことはステイタスの一種であり
その経緯も手伝って数限りないメーカー渾身の高額機材が多数生産され
その珠玉のきらめきを放つ遺産達は現代においても少数が現存し
羨望と共に過去の栄光を思い起こさせるに十分で

これらの現代では考えられないほど贅沢に浸かった当時から生存するオーディオマニア(以後オーオタ)達は
バブル経済崩壊後もその思想を捨てきれず核の炎に包まれる予定の19XX年を迎えることになる


オーディオ機材という一般家電とは一線を隔する 高い趣味性をもった機材において
物量主義そのものは大事な 「設計思想」 であるのは想像の及ぶ範囲であろう
現実的に高額部品と部材が使われた機材に低額機材で勝るのは容易なことではないからだ

しかし物量主義をもっとも悪癖高い、市民に敬遠されるオーディオイメージたらしめたのは
彼ら回顧的オーオタ達が 声高に叫び続けた思想「高い機材を使わなければ絶対にダメだ」という
持つ者が持たざる者をあざ笑う選民主義にあったといわざる言えない

オーディオ雑誌類におけるエコノミークラスの扱いも同罪であろう 彼らの思考もまた保守的であった
軽い気持ちでオーディオに手が出せない雰囲気を作り上げてしまったことが(自覚の有無はともかく)
多数のオーディオメーカーの失墜と倒産という悪夢の連鎖を生み出すこととなった

オーディオにおける物量主義を他人に押し付ける独善的価値観を前面に押し出し続けることで
一般人の手のつけられる趣味ではないというイメージを確立させ
無論全ての人々がとは言わないが 現代の孤立主義につながる流れを作り出してしまうに至る

これが現在、我々オーオタと自ら自覚する趣味人が迫害され
孤立主義の只中で逼塞する原因の一つである



オーディオはオープンで今も隆盛の中にいると錯覚する人間は今一度回りを見渡すといい
オーディオを趣味としてオーオタと名乗ろうとする人間の年齢層を
お手軽携帯プレイヤーや安価なコンポセットで音楽など十分という10代20代を

彼らは今の環境で十分だからもうこれ以上アップグレードする必要はないという
PCスピーカーから始まりミニコンポへ そしてオーディオ機材へ・・・という
今よりも良い音で聞きたいという思考が生まれなくなってしまったことは致命的である

エントリークラスが存在しないかのようなイメージを広め
お金という判りやすい壁で彼らを阻んだことが 徐々に首を絞め始めたのだ

現在CDが売れない売れないと苦しい今日の音楽業界だが
その一端を担っているのはMP3データがどうこうではなく
音楽というものに人々の興味が失せ始めたことが最大の原因であろう

音楽製作と音響再生の世界はお互いがお互いの存在を確立させる大事なファクター
オーディオの衰退は製作側の衰退でもある 反比例することはありえない



聞きたい良い音や楽曲がないからCDも買わないし
良い音で再生する必要も無いから機材も必要ない 

良い音楽は良い音楽をよりよく聞こうとする人間の達の代金と声援から生まれ
良い環境は良い音楽を再生することで自身の感動を増幅させるアンプリファイヤである。



プロフィール
HN:
Siina daioujou
性別:
男性
趣味:
オーディオ
自己紹介:
広島某所在住、オーディオを趣味とする
部屋が音聞く・寝る以外の行為不能
ゴミ箱があれば部屋としての面目は立つ
カウンター
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